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南山のナスカ(その1)
どうも!!今回はテレビや新聞でも報道されたので知っている人たちが多いかもしれませんが、南山大学のグラウンドで行われたナスカの地上絵を作るイベントについての記事です。
記事はスペインラテンアメリカ学科の近藤さんと中野君が2人がそれぞれの視点で書いています。近藤さんは裏方中心、中野君は当日中心の記事を書いてくれましたので、色々な面からこのイベントを感じ取ってもらえれば幸いです。では、お楽しみあれ☆
10月20日、ここ南山大学のグランドで、世界遺産としても有名な、あのナスカの地上絵を描いてみよう!というイベント、「君は地上絵を見たか??名古屋に巨大コンドルが舞い降りる? 独立行政法人日本学術振興会【ひらめき☆ときめきサイエンス】@南山大学」が開催されました。
この【ひらめき☆ときめきサイエンス】プロジェクトは、未来を担う子供たちに、科学の楽しさや、学術と日常生活の関わりを知ってもらい、心の豊かさや知的創造性を育んでもらうことが目的です。つまり主役は大学の先生たちでもなく学生たちでもなく、小・中学生や高校生のみなさんなのです。
そして今回南山大学で行ったイベントは、実際にナスカの地上絵をつくったあと、それについての講演を聞き、「誰が、何のために、どのようにしてこのような巨大な地上絵を作ったのか」を中学生や高校生の皆さんが推理し、仮説を立てるといった、考古学研究者のように古代の謎に挑戦してもらおうというものです。
ここで肝心の『ナスカの地上絵』についての基礎知識を皆さんにお教えしておきましょう。
ナスカの地上絵は、南米ペルー共和国南部のナスカ平原とよばれる乾燥地帯に紀元前200年から紀元後800年の間栄えていたとされるナスカ文化の時代に描かれたものです。有名なのはコンドルやハチドリといった鳥の絵や、クモやサルなどといった動物の図像ですが、大半が直線や渦巻きなどの幾何学模様です。これらの絵は上空から見ないとそれが何であるか判断できないほど巨大で、最長のものは50キロメートルのものにも及ぶといわれています。また、おもしろいことに一筆画きで描かれているのも注目すべき特徴です。線の画き方、直射日光で酸化した黒い表面の石を取り除き、その下の白い砂地を露出させる、エッチング画法といわれるものです。線の深さは20?30センチメートル、線の幅は1?2メートルほどです。ナスカ文化の人々がこの地上絵を描いた目的は、宇宙人が描いたというとんでもない説もありますが、近年降雨や豊饒を祈願するための儀礼の一部だったとの説が有力です。
さて、名古屋に巨大コンドルを出現させるためにはちょっとした下準備が必要でした。というのは、南山大学の石の少ないグランドでは、本場の地上絵と同じ、地表の石を取り除いて溝を作るやり方では線が引けません。かといって大量の石灰で白線を引くのもグランド保全のためできることではありませんでした。そこで、白い20センチメートル幅の段ボール用の厚紙を、あらかじめ各パーツに分けて切り、当日グラウンドに並べようということになったのです。この厚紙を各パーツに分けて切る作業を、このイベントの主催者である加藤隆浩先生の下で学ぶ大学院生やスペイン・ラテンアメリカ学科のゼミ生が行いました。
さかのぼること3週間前。先生が私たちの前に現れ、事情を説明すると「突然で申し訳ないけど時間がないので君たちを作業場に半強制的に連行します」と、事務室のロビーに連れられていきました。到着した部屋には大量のロールペーパーが…。
私たちに与えられた仕事は厚紙をそれぞれの長さに切る、ただそれだけなのですが、これが地味ながら難しい!10メートル以下に切るのは簡単だったけれども、30?40メートルまでいくと部屋の長さよりも長いので、10メートルごとに区切って計測していくとそのうち「あれ?今何メートルだった?」と混乱することもしばしば。切った紙はもう一度丸めてダンボールに入れることになっていましたが、何十メートルもある紙を巻いて行くのも一苦労!腱鞘炎になるかと思いました…。またコンドルの頭や関節の丸い部分を紙でどのようにして曲線を作るかという問題が発生しました。数学には必ずしも明るくない文型集団の加藤ゼミのメンバーでしたが、あれやこれやと意見を出し結局三角関数で数値を求めることになりました。
参加する中高生50人の半分以上が、日系ペルー人の子どもたち。地上絵の実物を見たことのある子は一人もいません。それどころか、ペルーの地を踏んだことのない子もいます。彼らと一緒にコンドルを描き、彼らとともにそれを見たいという強い想いでゼミ生は準備にとりかかっていました。
準備段階から東海地方のテレビ各局の方々から取材を受けました!マイクを向けられたゼミ生たちは一同緊張しっぱなし(笑)。みんな思い思いの受け答えをしていたのですが、「参加するみんなと協力して、地上絵を作り上げたい」が合言葉になりました。

